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「スマートハウス」と「オフグリッド」の違いとは?電気供給や配線などの違いをご紹介!
- 2020.06.26
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近年、スマートハウスは「家庭内でエネルギーを作ることができる」「家庭内でエネルギーを貯めるための仕組みを作れる」「家庭内で使用するエネルギー消費を抑えることができる」ということで非常に大人気の住宅です。一方、スマートハウスと少し似ているオフグリッドというものがあります。この二つの違いはいったい何なのでしょうか。そこで今回はスマートハウスとオフグリッドの違いについてご紹介いたします。
目次
「スマートハウス」と「オフグリッド」の違いを知る前に基礎知識を得よう
スマートハウスとオフグリッドの詳しい違いについてご紹介する前に、まずは両者の基本的な知識からご紹介いたします。
スマートハウスの基礎知識
スマートハウスとは、ITを活用してエネルギーを効率良く利用する住宅のことです。例えば、日中は太陽光発電などで電気を創り、蓄電池などでそれを溜めることで電気を自給自足し、時間帯に合わせて効率良く利用します。電気は自給自足になりますので、別の言い方をすると「できるだけ電力会社から電気を買わない家」とも言えますね。また、作りすぎた電気を電力会社に売る機能があります。毎月の電気を安く済ませることができるため、スマートハウスは非常にメリットのある住宅だと考えられます。
さらには「HEMS」が導入されているご家庭ではもっと便利になります。「HEMS」とは、Home Energy Management Systemの略称で、家庭で使う電気を節約するための管理システムのことです。家電機器などに繋ぐことで電気の使用量を「見える化」し、どの家電機器が電気の使用量が多いのかなどを確認することができます。また、家電機器の自動制御を行うこともできるため、使い過ぎ防止もできます。
オフグリッドの基礎知識
オフグリッドとは、電力会社の送電網に繋がっていない状態、あるいは電力会社に頼らずに電力を自給自足している状態を意味します。「グリッド」とは電力会社が街中に張り巡らせている電線・電柱で作った「送電網」のことです。送電網が「オフ」な状態、つまり送電網が繋がっていない住宅ということです。
オフグリッドは電力会社に頼らずに自然のエネルギーや太陽光発電などを使用することで電力を供給しています。環境に負担を掛けずに自然エネルギーが電力のもとになるためどんな環境でも電力を確保できるという画期的なシステムになります。近年では、自然災害への備えやエコな暮らしの一環としてご自宅に導入される方が増えております。オフグリッドでは、スマートハウス同様に太陽光発電が主なエネルギー源となっていますので、この部分については共通していると言えます。
スマートハウスとオフグリッドの電気の供給源の違いについて
スマートハウスとオフグリッドの特徴を簡単にまとめると次の通りになります。
- スマートハウス:太陽光発電+蓄電池+電力会社
- オフグリッド:太陽光発電+蓄電池 電力会社契約無し
スマートハウスとオフグリッドの違いは住宅と電力会社に送電網が繋がれているのかどうかということです。スマートハウスでは、日中は太陽光発電で電力を供給し、夜は蓄電池、もしくは電力会社から電力を供給することで、安定した電力を得ることができます。一方、オフグリッドの場合だと、日中は太陽光発電で電力を供給できたとしても、夜は電力会社から電力を得ることができず、蓄電池からの電力供給のみで過ごさなければなりません。
その為、オフグリッドは太陽光発電などの自然エネルギーからの発電と蓄電の容量が頼りとなります。このことからオフグリッドの場合は次のような2つの課題があると言えます。
- 太陽光発電+蓄電池での電力が尽きた場合、電気無しの生活を余儀なくされる
- 電力会社の介入無しで安全に電気を利用するだけのメンテナンスが必要
私たちは電力会社の整備したインフラである送電網を使うことによって、好きなだけ電気を使う事ができる生活を送っています。オフグリッドにして、家と電力会社とを繋ぐ電線を取り払って暮らすのは一定の覚悟が必要かと思います。
オフグリッドにされたという方のブログや記事を見ても、中には電気料金や電気工事のことで揉めたなんていう方も居れば、原子力発電についての考えをお持ちで、一切原子力からの電気を買わないという姿勢でされる方、キャンプや自給自足の自然に触れる暮らしを趣味にされていて、電力会社に頼らなくても良いという状況を楽しまれる方など、実に様々です。
オフグリッドと一言で言っても、どの程度電気を必要とする生活かによって様々です。できるだけ大きな蓄電設備を導入し、都市部で生活するオフグリッドもあれば、ほんの2kWほどの太陽光・蓄電池だけで、あまり電気の要らない最小限の冷蔵庫などと薪や蝋燭での生活、という暮らしをされる方というのもあります。どちらにせよ費用面・利便性面で一般的に考えるとまだまだ特殊な例と言えるでしょう。
スマートハウスとオフグリッドの配線の違いについて
通常、太陽光発電システムや蓄電池を導入する場合はパワーコンディショナと言われる装置が付き、直流と交流の電気の相互変換を行います。オフグリッドの場合は太陽光発電や蓄電池には無いチャージコントローラーと言われる機械が付いております。パワーコンディショナのように直流と交流を相互変換せずとも、直流から交流に切り替えるのみで良いので、パワーコンディショナの代わりにインバーターという電気回路が単体で付きます。しかしそれだけでは蓄電池に電気を溜めるコントロールができないため、蓄電池に電気を溜める役割としてチャージコントローラーが付きます。スマートハウスとオフグリッドの配線の違いを簡単にまとめると次の通りになります。
- スマートハウス:パワーコンディショナ
- オフグリッド:チャージコントローラー+インバーター
オフグリッドの場合、一般の家庭用蓄電池としてはかなりサイズの大きな蓄電装置を敷地内に置き、機械の不調の際に度々メンテナンス費用が必要になるなど、まだまだ一般的な仕組みではないための問題も発生します。また、安全に電気が使える状態かどうかを電力会社と協議し、許可を得た上で進める必要があります。
実際にオフグリッドの生活を実践した場合、費用面で大きな負担がかかるか、あるいは電気の残量を気にする必要がある生活かのどちらかにはなるのが実情です。
そう考えると、電力会社が我々の生活に提供している「便利さ」を利用できるのはありがたく感じる点ではあります。オフグリッドは電力会社との決別とも言えます。そのため、スマートハウスとオフグリッドは似ているようで全く意味合いが違うものとなっているのです。
オフグリッドよりもスマートハウスが主流な理由とは?
毎週のように世界各国のメーカーや技術者が新しい発電・蓄電装置を発表しています。そのほとんどが価値の高い技術で、ごく小さな数センチの発電パネルで大きな電力を作れるもの、リチウムイオンのように希少な素材を用いずに、それを超える性能で蓄電することができる物質などが発表されますが、それらが一般的に流通・設置され価格的にもお得になるのは、かなり先の話になると思われます。ですので、現代の最善策としてリチウムイオン蓄電池を使ったスマートハウスを選ぶ方が多いというわけです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。スマートハウスとオフグリッドの違いは電力会社と送電網で繋がれているかどうかと、配線の仕組みです。現在ではスマートハウスの方が圧倒的に人気がございます。オフグリッドの住宅が実用レベルにまでになるのはまだまだ先の話だと考えられます。新しく家を建てる、もしくはリフォームでスマートハウスをお考えの方は、当店へお気軽にお問い合わせください。また、蓄電池等についてのメール相談・LINE相談も行っておりますので、ぜひご活用くださいませ。